後付けでポータブル型のカーナビを自動車に設置した場合、金額によって会計処理が異なります。
なお、ポータブル型のカーナビは、取り外して自動車以外の用途に使用できるため、固定資産に該当する場合には「車両運搬具」ではなく「器具備品」に計上します。
ポータブル型のカーナビを自動車から取り外さない場合には、固定型カーナビと同じ会計処理をすることもできます。
通常の経費 | 通常の減価償却資産 | 一括償却資産 | 少額減価償却資産(中小企業者等の特例) ※1 | |
取得価額 | 10万円未満 | 10万円以上 | 10万円以上20万円未満 | 10万円以上30万円未満 |
経費処理 | 全額可能 | 通常の減価償却 | 一括して3年で均等償却 | 全額その年で償却 ※2 |
固定資産計上 | 不要 | 必要 | 必要 | 必要 |
償却資産税 | かからない | かかる | かからない | かかる |
※1 一括償却資産の損金算入制度の適用を受けるものについては、中小企業者等の特例の適用はありません。
※2 適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額300万円までが限度。
10万円未満のポータブル型カーナビを購入した場合
具体例:通常の経費で処理
ポータブル型のカーナビ85,000円を現金で購入し、後付けで自動車に設置した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
消耗品費 | 85,000 | 現金 | 85,000 | ポータブル型カーナビ |
10万円以上20万円未満のポータブル型カーナビを購入した場合
購入金額が10万円以上20万円未満の場合、会計処理は「通常の減価償却資産」「一括償却資産」「少額減価償却資産」の3パターンがあります。
どの方法を選択するかは会社の方針によって異なります。
具体例1:通常の減価償却資産
パターン1
ポータブル型のカーナビ150,000円を現金で購入し、後付けで自動車に設置した。なお、通常の減価償却資産として処理する。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
器具備品 | 150,000 | 現金 | 150,000 | ポータブル型カーナビ |
パターン2
ポータブル型のカーナビ150,000円を現金で購入し、後付けで自動車に設置した。設置した後は取り外さずに、固定型カーナビと同様の使い方をする。なお、通常の減価償却資産として処理する。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
車両運搬具 | 150,000 | 現金 | 150,000 | ポータブル型カーナビ |
具体例2:一括償却資産
ポータブル型のカーナビ150,000円を現金で購入し、後付けで自動車に設置した。なお、一括償却資産として処理する。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
一括償却資産 | 150,000 | 現金 | 150,000 | ポータブル型カーナビ |
具体例3:少額減価償却資産
ポータブル型のカーナビ150,000円を現金で購入し、後付けで自動車に設置した。なお、少額減価償却資産として処理する。
・取得時
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
器具備品 | 150,000 | 現金 | 150,000 | ポータブル型カーナビ |
・決算時
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
減価償却費 | 150,000 ※1 | 器具備品 | 150,000 | ポータブル型カーナビの減価償却 |
※1 取得価額の全額をその年で償却
20万円以上のポータブル型カーナビを購入した場合
購入金額が20万円以上の場合、会計処理は「通常の減価償却資産」「少額減価償却資産」の2パターンがあります。
どの方法を選択するかは会社の方針によって異なります。
具体例1:通常の減価償却資産
ポータブル型のカーナビ260,000円を現金で購入し、後付けで自動車に設置した。なお、通常の減価償却資産として処理する。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
器具備品 | 260,000 | 現金 | 260,000 | ポータブル型カーナビ |
具体例2:少額減価償却資産
ポータブル型のカーナビ260,000円を現金で購入し、後付けで自動車に設置した。なお、少額減価償却資産として処理する。
・取得時
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
器具備品 | 260,000 | 現金 | 260,000 | ポータブル型カーナビ |
・決算時
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
減価償却費 | 260,000 ※1 | 器具備品 | 260,000 | ポータブル型カーナビの減価償却 |
※1 取得価額の全額をその年で償却